全力離婚相談を見た感想



テレビドラマで、よく離婚を取り上げたものがあります。

ほとんどは所詮ドラマで、実際にはそういう事はほとんどないというようなものばかりですが、ココリコ田中が主演をしていた「慰謝料弁護士」というドラマは、離婚だけではなかったのですが実践的なノウハウがかなり詰め込まれていて驚きました。

そんな中、2015年1月スタートのNHKのドラマで「全力離婚相談」というのが始まりました。
その全力離婚相談の第1話を見た感想です。

まず、全力離婚相談の内容ですが、真矢みき演じる竹内美晴(女性の弁護士)が、ひょんなことから離婚相談室を立ち上げることになり、DVやモラハラなどの夫婦の修羅場を、人一倍の情熱とフットワーク、弁護士の知識と経験を生かして解決していくというヒューマンドラマです。

なお、主人公の竹内美晴自体も、離婚の経験があり、自身の離婚経験による心の傷とも向き合い、親権を奪われて絶縁状態だった一人娘との絆を取り戻していく感動的な内容という事です。

そして「誰もが経験する可能性がある離婚問題を通じて、今の日本の夫婦の姿と現実をリアルに浮かび上がらせます!」と全力離婚相談の公式ホームページでうたっていました。

ちょっと期待できそうなにおいがします。

とはいえ、全力離婚相談を見る前の個人的な感想ですが「しょせんNHKのドラマなので、無難でヒューマンなドラマに仕立ててくるはずだから、面白くはないだろうな。」でした。

で、全力離婚相談の第1話を見た感想ですが、第1話からもともとは企業法務が専門の主人公が、相手方やクライアントに会いにいったりとよく動きます。まさに全力です。

しかし、主人公のような一生懸命依頼者の関係者までにも寄り添い、なにが一番いいのか具体的に行動する弁護士はいません。

しかも、本来のクライアントに背信するような行為までしてとなると皆無です。
私がいつも思う事ですが、弁護士ドラマに出てくるような弁護士は、現実ではいないという事です。

分かりやすく言うと、そこまで本気で動いていたとしたら、他の依頼者の案件をこなすことはできません。動かないという弁護士の体制もありますが、時間的にも無理があるのです。

だから、ドラマのような弁護士と勘違いして依頼すると、失望と幻滅しかしません。
弁護士は、基本的に、事務所と裁判所などの各種機関でしか仕事しないと思ってもいいくらいです。
離婚問題で相手方に直接会いに行くなんてほぼ無いです。普通、電話か書面です。

で、主人公はとてもいいことを言っています。
それは「弁護士の仕事って、トラブルに法律を当てはめただけでは全然足りないんじゃないのって」です。

これが、私にとって第1話最大の名言だと思います。

実際、離婚問題を法律だけで処理すると、親子が断絶状態になったり、色々な禍根を残すことになります。そもそも、離婚において、スパッと法律で切れる事なんかほとんどありません。

その点、第1話の主人公の処理の仕方は最高です。

自分の子供でないことをこっそり知ってしまったが息子を愛している夫、煮え切らない気持ちで妻にDVをふるうことも。
妻は、そのことを負い目に感じて、それでも本当の子供でないことを夫に知られたら、子供への愛情がなくなるんじゃないかと、不安で仕方ない。

そんな状態で、何も知らない夫の父親が絡んでくるという話ですが、これ、本来、弁護士が依頼されたとおりに処理すると、夫・妻・子供の全員が不幸になってしまいます。

これを主人公が、クライアントへの背信行為までして、おさめました。
そのおかげで、誰もが不幸になっていません。

ただし、この処理は、本来の弁護士からみたら失格ですが…

というのが第1話の感想です。
この全力離婚相談というドラマ、個人的には、話自体はそれほどおもしろいとはいえないかもしれませんが、内容はなかなかよく、見るだけの価値はあるなと思いました。

以上が、NHKドラマ「全力離婚相談」第1話を見た感想でした。

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