養育費で扶養控除できるのか?

養育費を支払っていることで、扶養控除できるのか?という事について書きます。

年末になると、サラリーマンや公務員は年末調整の季節になります。
といっても、勤め先が処理をするので直接することはありません。
しかし、扶養控除等申告書を勤務先に提出しておく必要があります。
それをもとに、勤務先の会社は年末調整をするわけです。

年末調整とは、1年間の所得税の金額を確定する作業のことをいいます。
これによって、いくらか税金が戻ってくる人が多いですが、ごく一部追加で取られる場合もあります。
扶養控除等申告書を出しておくと、月々の所得税が扶養親族の人数によって安くなったりしますが、そうでなくても年末で調整してくれます。

つまりは、扶養控除の対象になる親族が多くなればなるほど、所得税が下がるという事です。
そして、所得税が下がるという事は、住民税も下がるという事です。
はっきり言って、大きいです。

で、問題は、養育費の支払いでもって、その子供を扶養控除の対象となる親族として申請できるのか?という事です。

答えは、扶養対象親族として申請できます。OKです。
ただし、理屈はそうなのですが、色々と問題があります。

順を追って見てみましょう。

まず、国税庁のページでは、子供がある夫妻が離婚した後の「扶養控除」を、元夫・元妻のどちらに適用できるかという事例が紹介されています。

元妻が子を引き取り、元夫が養育費を負担しているケースでは、その養育費の支払いが「扶養義務の履行として」「成人に達するまで」など一定の年齢に限って行われるものである時は、その養育費を負担した期間については、子供は元夫の「生計を一にしているもの」として、元夫は養育費の支払対象の子供を扶養控除の対象とすることができます。

「生計を一にする」というのは、同居が条件ではない訳です。子供が一人暮らしをする時に仕送りをしていると思えば、分かりやすいと思います。

さて、これで問題になってくるのは、一人の子供に対して扶養控除の対象と出来るのは一人の親だけなんですね。つまりは、元妻・元夫のどちらが扶養控除するかという事です。

もし、上記の例で、元妻が働いていなければ、養育費を支払っている元夫が扶養控除してもらえばいいと思いますが、元妻も元夫も働いていた場合は、どっちが扶養控除してもらうかが問題になります。

普通に考えたら、一緒に住んでいる母親である元妻といえそうですが、問題はそんなに単純じゃありません。

例えば、2014年で子供が2人いた場合、月10万円をかせぐ元妻が扶養控除した場合は、月たった720円の控除金額です。
この時、月30万円をかせぐ元夫が扶養控除した場合は、3290円の控除額になります。
同じ扶養控除でも、こんなに金額が異なります。
※分かりやすくするために社会保険料とか雇用保険料の事は考慮していません。

このような場合は、元夫が扶養控除した方が得ですよね。
3290円から720円を引いても2570円得です。
だったら、元夫の方で子供2人を扶養控除親族として申請して、その分(2570円)とまでいかなくても2000円とか養育費にプラスしてもらった方がお互いにとって得ですね。

そういう考え方もあります。

この金額は、稼ぎが大きければ大きいほど変わります。
双方の稼ぎが10万円と50万円なんて場合だと、1万円以上違います。
まずは、こういうことがあるという事を知っておきましょう。

なお、この金額はどこの税務署にでもある源泉徴収税額表というもので求めることができます。
ただし、若干知識が必要です。
でも、離婚する時に、税務署で「源泉徴収税額表」が欲しいと言って、ついでに質問したら教えてくれますよ。

その結果次第で、どっちが子供を扶養親族として扶養控除してもらうか決めたらいいと思います。
そして、口約束でなく、どちらが子供を扶養控除してもらうか離婚協議書等に記載しておきましょう。

で、ここまでは円満なケースですが、特に何も決めずに、お互いが扶養親族として申請した場合は、どちらが扶養控除してもらえるのでしょうか?

争いになった事例があり、平成19年の国税不服審判所の裁決例があります。

別れた元夫婦が各自の勤務先に扶養控除等申告書を提出し、子供を各々の控除扶養親族として平成18年分の年末調整を受けていたというものです。このケースでは元妻が扶養控除等申告書を職場に平成17年12月に提出し、元夫が平成18年1月に提出していることから、子供は、先に扶養控除等申告書を提出した元妻の控除対象扶養親族と判断されました。

要するに、早く申請したもの勝ちという判断ですね。
それが同じ時期とかであれば、合計所得金額すなわち稼ぎの大きい方の扶養親族として認定されます。

どうです?養育費での扶養控除についてでしたが、かなり奥が深いでしょ?
ほとんどの夫婦はそんなことを考えずに離婚しますが、賢くすると、お互いにとって大きな利益になりますよ。

なお、養育費での扶養控除申請は、養育費を払っている事が当たり前の前提条件です。

さらに、養育費と慰謝料等がはっきりと区分できない場合には対象にできません。なので、養育費と慰謝料併せて月〇万円でなく、養育費は月〇円、慰謝料は月△円という決め方にしてください。

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