離婚慰謝料の計算式



離婚に伴う慰謝料っていったいいくらになるのでしょうか?
離婚の慰謝料の相場で書きましたが、養育費と違って相場にもかなり幅がありますし、色んな要素が絡んできて、はっきり言っていくらぐらいが相場かというのは、かなり難しいところです。

そんなとき、もし、慰謝料の計算式があれば便利だと思いませんか?
じつは、あまり表には出ていませんが、離婚の慰謝料を求める計算式があるんです!

某弁護士会が裁判での基準をもとに慰謝料金額の計算式を試案しています。ただ、あくまで実際の法律でなく試案なので参考程度にしてください。

この慰謝料金額の計算法では、離婚原因慰謝料と離婚自体慰謝料の2つに分け、これらを足すことにより慰謝料額が出ます。

まず、離婚原因慰謝料ですが、不貞行為が120万~240万、悪意の遺棄が60万~240万、DVやモラハラ60万~120万、その他の理由12万~120万円となります。

ちょっと幅がありますが、いかに精神的苦痛を受け、離婚に至るのかという点で高くしたり安くしたりで考えてください。

たとえば、不貞だと、不貞行為を伴う浮気をして1箇月くらいで発覚というのであれば120万円、逆に、不貞の期間が5年以上とか、不倫相手との間に子供ができたりしていたら240万円というような考え方です。

次に離婚自体慰謝料ですが、計算式があります。

[基本慰謝料120万+相手の年収の3%×実質的婚姻年数(最高で20です)]×有責度×調整係数=離婚自体慰謝料

まず、有責度というのは、0.2~1.0の幅があり、一方的に相手が悪いなら1.0、自分にも非があるならその割合に応じて、1.0~0.2の間で決めていきます。
なお、お互いに同じくらい悪いのであれば有責度は0になり、有責度が0であれば、計算式より離婚自体慰謝料は0円になります。

次に、調整係数ですが、離婚後の生活の困難性によって、0.7~1.3の間で変わります。どんな風に変わるかというと、夫と同程度に収入のある妻なら0.7で、全く就職経験がない女性なら1.3になります。パートで働いているのであれば、1.0くらいで考えたらいいと思います。

離婚自体慰謝料の計算式は、ちょっとややこしいですね。

何はともあれ、実際に例を挙げて慰謝料額の計算をしてみましょう。

結婚生活20年の専業主婦A子さん。離婚原因は、夫の長期にわたる不貞行為で、夫の年収は500万円。A子さんは、完全な専業主婦なので、就職したこともありませんし、これといった資格もありません。

この例で、A子さんの離婚の慰謝料を計算してみます。

まずは、離婚原因慰謝料です。
夫の長期の不貞行為が離婚原因ですので、離婚原因慰謝料は、不貞行為の中でも悪質性の高い最大値の240万円と考えます。

離婚自体慰謝料は、有責度は完璧に夫で、A子さんは収入も就業経験もありませんので1.3です。これで計算してみます。

 [120+(500×0.03)×20]×1.0×1.3=546万円
これが離婚自体慰謝料になります。

そして、離婚原因慰謝料と離婚自体慰謝料を足すので、240万+546万=786万

この慰謝料の計算式で求めると、786万円、これがA子さんの慰謝料の金額です。

ただし、勘違いしないでほしいのですが、500万円を超える慰謝料って、裁判ではそんなにありませんし、この例は、離婚原因慰謝料を最高値にしている極端な計算例で、そもそも有責度も一方的に悪いと証明するのは楽でありません。なので、あくまで高めの慰謝料額が算出されています。

もうちょっと現実的な例で計算してみます。


結婚5年目のB子さん。離婚原因は、たった1回の夫の不貞行為が許せなくて離婚。夫の年収は400万円。B子さんはパートで働いています。B子さんは、子供が生まれてからは、夫をないがしろにしていました。夫いわく「B子が冷たく当たり、精神的に参っていた時、会社の子にやさしく話を聞いてもらっていて、その流れで誘われてつい。」だそうです。

さあ、この例だと、さっきとは全然変わります。

まず、離婚原因慰謝料ですが、完全に最低の120万円です。

次に離婚自体慰謝料の計算です。
[120+(300×0.03)×5]×0.3×1=49.5万円
離婚原因慰謝料と離婚自体慰謝料を足して
120万+49.5万=169.5万円 
これが慰謝料になります。

この例での有責度は、そもそもの根底はB子さんと言えますので、低く設定しています。
それでも、高い金額が出ています。

いや、実際に例を出して計算してみると、この離婚慰謝料の計算式だと、高めの慰謝料金額が算出されるようです。

おそらくですが、この計算式は、一般の人が慰謝料の相場を計算するというのではなく、弁護士が裁判する時にいくらの慰謝料を請求するかという目安を計算する式なのではと思います。

まあ、裁判にしろ、調停にしろ、協議にしろ、まずは高めに請求するのがセオリーですから、請求額と考えるとこんなものでもいいかもしれません。

高めの金額が算出されるとはいえ、こういう慰謝料の計算式が一応はあるということで紹介しておきます。

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