養育費の給料天引き
養育費は自由に給料天引きできると、誤解している人が結構いますので、それについて書きます。
まず「養育費は給料天引きできるか?」ということについてですが、その答えは△です。
養育費なら何でも給料や給与から天引きできるかといえばそうではありません。
養育費を給料天引きにするには、色んな条件や手続きが必要になります。
それらがそろって初めて養育費の給与天引きが実現します。
では、どうすればいいのかというと、まず、養育費の月々の支払いが明記されている然るべき書類を持っている事が第1条件です。
この然るべき書類というのは、強制執行認諾約款付きの公正証書、調停調書などの書類です。これらの書類があって初めて差し押さえができます。
そうなんです!養育費の給料天引きというのは、給料差押えのことになります。
ということで、普通の離婚協議書や合意書では養育費の給料天引きはできない訳である。
で、公正証書等の書類を持って、会社に「養育費分を給料天引きしてください」と頼みに行くわけです。
「ごめんなさい、ウソです。」あなたが頼みに行っても、会社は給料天引きしてくれません。
なぜなら、労働基準法第24条1項に「賃金は、通貨で直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」とあり、勝手に給料から養育費分を天引きすると、全額支払いではなくなり、労働基準法違反になるからです。
では、どうすればいいのかというと、さっき給料差押えと書きましたね。差し押さえができるのは国の機関だけです。今回の養育費の差し押さえをするのは裁判所です。
という事で、管轄の地方裁判所で差押さえ手続をとるわけです。これが、養育費の強制執行手続きというわけです。
そして、意気揚々と強制執行手続きに行けるかと言えば、これまた違います。養育費の滞納があって初めて強制執行をすることができるのです。まあ、当たり前といえば当たり前なのですが、養育費の給料天引きという言葉だけでは、最初からできると誤解する人もいるでしょう。
で、養育費の強制執行手続の費用は高くないし、その費用ですら、相手の給料から差し押さえて回収することができます。しかも、この手続きは、それほど難しくなく、頑張ればあなたにもできます。
もちろん、専門家(弁護士・司法書士)に依頼するのが一番なのですが、その料金がかかります。
特に、弁護士に依頼すると、下手すりゃ成功報酬を取るところもあります。依頼するなら、この分野に詳しい司法書士が費用的には弁護士より安くすみます。
安くすましたくて、かつ、頑張れるあなたの為に、養育費の強制執行手続きについて書かれた書籍を最後に紹介しておきます。これを見て、強制執行手続き書類を作成すれば、何とかなるのではと思います。
話を元に戻して、養育費の強制執行手続きを取る際に、ひとつ把握しておかないといけない重要なことがあります。これが分からないと、専門家ですら給料差し押さえができません。
それは、相手の勤務先です。これが特定できないと、養育費の給料差押えができません。なので、「仕事は変わっていないと思う」ではなく、今の勤務先を常に把握しておきましょう。
これを把握するために「住所・電話番号・勤務先が変更になった場合は、遅滞なく通知しなければいけない。」のような文を入れておく方がいいです。
さあ、ついに給料差押え手続が終わりました。あとは、自分の口座に毎月養育費が振り込まれるのを待つだけです。
ブッブー違います。
なんと、まだ一仕事必要です。養育費の差し押さえが成功すると、差し押さえが成功した旨の通知を受けます。それを踏まえて、今度は、あなたがその会社に直接「〇〇の口座に振り込んでください。」というようなことを頼みます。会社は基本的にそれを断ることができません。
これで、はれて養育費の給料天引きの完成です。
いや~長かった。これが、養育費の給料天引きまでの流れです。
複雑で面倒くさいのですが、これでも随分とよくなりました。
以前は、養育費を滞納された場合、調停調書や公正証書であっても、その滞納した分しか差し押さえることしかできませんでした。 これでは、養育費を滞納するたびに、強制執行の手続きをとらなければいけなくて非常に不便でした。
しかし、法律の改正により、養育費の滞納に対して、その滞納期間分の養育費はもちろんですが、将来の分に対しても月々の給料から天引きすることができるようになりました。しかも、その差し押さえの限度額も、給料の4分の1から2分の1まで引き上げられました。
しかし、一度給料天引きになったからといっても、最後までという事ではありません。どういう事かというと、例えば、その会社を辞めたとしたらどうですか?当然、養育費の天引きはできませんよね。
さらに、給料天引き状態を引き継げそうで引き継げないのが違う会社への転職です。この場合も、もう一度、1からやり直しになります。もし、その時、新しい就職先を知らなかったらどうでしょう?
ということで、まだまだ十分な制度とは言い難いですね。もっとよくなることを期待です。
最後に、もうひとつ養育費の給料天引きに関して注意点を書きます。
それは、差押え手続をすることによっては、相手の会社での立場が悪くなる場合もあるという事です。たとえば、某役所では、依願退職を勧めるということを聞いたことがありますし、出世レースから外れることだってあります。そもそも会社にいられなくなったら、せっかく苦労してした養育費の給料天引きも意味が無くなりますので!
なので、養育費を給料天引きで差し押さえる場合は、そういう事も考慮してくださいね。
養育費を相場以上にもらう方法
養育費は、普通の離婚において最も大きな金額が動く決め事です。月1万円違うだけでも、年間12万円、10年だとなんと120万円も変わります。
養育費をもらう側としては、子供の為にも1円でも多くもらいたいはずです。
もし、離婚調停や離婚裁判で養育費を決めると、養育費の金額は、養育費算定表の範囲内になることが多いです。なので、養育費を1円でも多くもらうのであれば、協議で合意させる必要があります。
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