年内に離婚したい
年内に離婚したいという希望や思いを持っている人は意外と多いです。
たしかに、気持ちは分からなくないです。
すっきり離婚して、新年を新しい人生の出発の年としたいという事ですから。
11月になって、離婚相談を受けていると、「年内に離婚したい」という事をよく聞きます。
ということは、もう妻や夫と話がついていて、あとは離婚協議書や離婚給付公正証書を作成するだけだろうなと思いきや、話を聞いていくうちに「これから離婚したいと言います」というような事が非常に多いのに驚かされます。
なかには、12月に入ってからの人もいます。
はっきり言います。無理です。
たとえば、離婚の合意だけでなく、もうだいたいの話は決まっているという場合であれば、何とかなるかもしれません。
それでも、離婚協議書を公正証書にしたいとかいうのであれば、公証役場の混み具合などで、かなりギリギリ、又は不可能な場合もあるくらいです。
それがまだ「離婚したい」という話すらしていないというのであれば、10月だって遅すぎるくらいです。
その理由を説明します。
まず、「離婚したい」と告げます。それをあっさり「いいよ離婚しよう」という人はいないですよね。
そうすると、離婚という事を合意させるのに時間がかかりますし、ここが一番難しい。
離婚の合意ができたら、今度は、親権・養育費・面接交渉・財産分与などの離婚の条件を決めないといけません。これらだって、すぐに決まるわけないですよね。ただ、未成年の子供がいない場合は、親権と養育費と面接交渉を決めなくていいので、その分楽になります。
さらに、離婚後はどこに住むのか?など離婚後の事も考えておかないといけません。
そして、離婚条件等が決まったら離婚届を出す、のであれば、そこでとりあえずは離婚成立です。
しかし、離婚後のトラブルを防ぐ為には、離婚協議書を残しておく方がいいです。
離婚協議書作成を弁護士や行政書士などの専門家に依頼するのであれば、またそこで時間がかかります。
離婚協議書でなく離婚給付公正証書にするのであれば、公証人は多忙なので、公証人のスケジュールがさらにかかります。下手すりゃ、公証人の都合だけで、相談から入って作成までに1箇月以上かかりますよ。
そして、晴れて離婚です。
どうです?11月に離婚の意思すら伝えていないのであれば、年内に離婚するというのは、かなり困難だという事が分かったと思います。
いつも言っていることなのですが、離婚は短期決戦をしてはいけません。
のちの人生を左右する重大なイベントなので、じっくり準備しないと後悔することになりかねません。
はっきり言って、離婚したいという意思を伝えてから、配偶者に離婚を合意させて、そのあと親権やら財産分与やらの離婚の条件を決めるのであれば、半年仕事と思ってくださいと、いつも言っています。
それがなぜか、年末が迫ってくると「年末までに離婚したい」という人達が現れます。
これと似て非なる離婚の希望が集まる、子供の進学や卒業が絡んでくる「3月に離婚したい」という人達がいます。
この人達は、あらかじめ何ヶ月も前に相談に来ます。
それも、前の年の10月とか11月が多いですね。
どうです?似て非なるちゃんとした考え方です。
この人達の方が正しいです。
ということで、年内に離婚したいというのであれば、夏ぐらいから離婚協議をスタートさせましょう!!
ただし、離婚したい女性に限っては、奥の手があります。
この方法を使えば、11月だって、たとえ12月上旬だって、年内に離婚できる可能性がうんと高まります!!